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平成21年10月27日(火)放送分

ゲスト

ゲストさんと 株式会社 東レ経営研究所
代表取締役 
佐々木 常夫(ささき つねお)さん

概要

 今日の市長いまどきトークは、人権問題研修会の講師として「私は仕事も家族も決してあきらめない」をテーマにご講演いただいた、株式会社東レ経営研究所 代表取締役社長の佐々木さんをゲストに迎えてお送りします。

市長   今日のゲストは、人権問題研修会の講師をお願いしました、株式会社東レ研究所代表取締役の佐々木常夫さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

佐々木さん はい、よろしくお願いします。

市長   講演をしていただいたテーマは「私は仕事も家族も決してあきらめない」でしたが、内容を少しお話いただけますか。

佐々木さん 私の家族は、子どもが3人いますが1番上の子が自閉症という障がいを持って生まれました。そのうえ、妻が肝硬変とうつ病を患い家事をすることができなくなり、私が家事と障がいを持つ子どもの面倒を見ていました。また、会社の仕事もやりたいことがたくさんあり、がんばりましたら同期トップで役員になることができました。家庭と仕事の両立し、今は妻も回復し平穏な家庭に戻ることができ、今までのことをある出版社が、本にしませんかということで書きました。「ビッグ・ツリー」という本です。

市長   講演いただくきっかけとなった本が「ビッグ・ツリー」ですか。

佐々木さん はい、そうです。その後に「部下を定時に帰す仕事術」という本を書きました。

市長   「部下を定時に帰す仕事術」は、本当は市役所で聞いたほうがいいですね。
     役所で重点をおいて取り組むべき問題は、障がい者とどのように向き合っていくかということです。役所の役割として取り組む課題のターゲットは弱者だと思っています。子どもと高齢者と障がい者です。この3本柱は他のまちには絶対に負けません。先頭きって取り組んでいきたいので、重点投資をしています。
   重度の障がい児を預かることができる放課後児童クラブを作りましたし、障がい者の働く場を作りました。花を栽培したり、パンを作って売ったりしています。

佐々木さん それは、すごいですね。

市長   仕事と家庭の両立で、ご苦労されたところはどんなところですか。家を守るために力を注げば、仕事がおろそかになってしまうと思いますが。仕事が適当になれば会社の重役になることはできないですよね。

佐々木さん 私は「ビッグ・ツリー」のサブタイトルを“私は仕事も家族も決してあきらめない”と言っていますが、本当はうそです。家族のことで大変だった時に、私を支えてくれたのが仕事でした。仕事は自分がやったことが結果として形で現れますので面白いです。楽しいことをやれてたから、家族の大変な状況もなんとか乗り切れたと思っています。

市長   私の家でも、93歳の母親がいまして、1週間のうち3日間は家にいて、残りの4日間はショートステイで施設に行っています。自宅にいる3日間は私がお風呂に入れています。どんなに忙しくても自分が入れると決めています。母親が帰ってくると、お風呂は何時に入れるか聞いてきます。

佐々木さん そうですか、奥さんは助かりますよね。

市長   私の母親ですから、私がやろうと思いました。自分が使命感を持っていると、すんなりできますね。

佐々木さん そうですね。私の場合も、周りの人が私の話を聞いて自分ではできないと言われますが、そんなことはありません。自分のような状況になれば、みんなできると思います。私が持っている不幸が、他の人より不幸が大きいかはわかりませんし、人間の幸福・不幸は図れません。不登校の子どもをもつ親の苦しみと私が持っていた苦しみは主観的には同じものだと思います。このような生活に慣れてしまいます。

市長   自閉症の子どもと付き合っていくといっても、普段は父親は会社にいっているわけですから、その間はどうしているのですか。

佐々木さん 施設に行ったりしています。でも、一日のうち何時間は付き合わなければいけません。いろいろな話をしたがります。

市長   奥さんも、同じですよね。

佐々木さん そうですね、大変でした。2人の話を聞かなければいけませんでしたので。

市長   大変ですよね。会社に行って仕事をするほうがよかったですよね。

佐々木さん 先日、吉本ばななさんのブログに私の本を読んだ感想が書いてありまして、「佐々木さんという人は、愛とは責任であるということを貫徹した人だ。」と書いてありました。それを読んで、愛情があるから家族を守ったのではなくて、自分が選んだ人生だから責任を持たなければならないと、その責任感で今までやってきたのかなと思いました。吉本ばななは良いことを言うなと思いました。

市長   でも、放棄したときが地獄ですよね。

佐々木さん そうですね。でも、自分の家族を放棄することはできません。

市長   太田市にも重度の障がい者を持った母親がいるグループがありますが、みながあったかいんですよ。大変な環境でよく明るくいられるなって思います。彼女たちは挫けませんよね。

佐々木さん 健全な家族より、ハンディを持っている家族のほうがあったかいかもしれませんね。

市長   少しだけ行政が手助けしたことに対して、ものすごく喜んでくれます。

佐々木さん やりがいがありますね。

市長   先日も、障がい者の働く場がないというので福祉工場を作って、1ヶ月50,000円の給料で働いてもらおうという計画を進めています。みんな喜んでくれています。

佐々木さん 『日本で一番大切にしたい会社』という本がベストセラーになって、障がい者雇用が7割を超えている会社で、何で障がい者が嬉々として働くのかと思っていたら、社長が「働くことによって、世の中に貢献するということが彼らの喜びとしてある」と書いてありました。とても感動しました。

市長   お互いの絆が深くなる気がします。

佐々木さん 行政は使命としてやっていますが、本当は社会全体として取り組んでいかなければいけないことだと思います。

市長   そうですね。日本も、格差は少しありますが、豊かな社会になってきました。お金儲けだけを考えるのではなく、社会に貢献して喜びを感じるという世の中に変わってくるのではないかと思います。

佐々木さん そうですね。それが本当の幸せだと感じる人が多いければ多いほど、社会が変わると思います。そう感じさせる仕掛けを作る必要があると思います。

市長   細川護熙元首相の奥様で細川佳代子さんが、「障がい者は私たちの宝物である」と言っていました。「彼らがいるから私たちがあったかくいられる」という話をしていました。「彼らがいなければ、みんなが傲慢になってしまう」とも言っていました。

佐々木さん そうですね。「神様が与えてくれたプレゼントである」とも言っていましたね。

市長   そうですね。その話を聞いたときほっとしました。ぜひ、佐々木さんにはこれからも講演活動をしながら、みなさんに勇気を与えていただければ大変ありがたいと思います。本日は、お忙しいところ本当にありがとうございました。

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