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太田市における外国人児童生徒教育

1.太田市における外国人の子どもたちの状況とこれまでの施策の経過

・太田市立小・中・特別支援学校に在籍する外国籍児童生徒は約500名で、最近3年間で約200名の増加となっている。国籍別ではブラジル、ペルー、フィリピンの順に多くなっている。
・自分の知らないことば、異なる生活習慣やカリキュラムでの学習という困難を抱えるなか、なかなか思うように勉強についていくことができないのが現状だった。特に、中学卒業後の高校進学においては厳しい状況にあった。
・市では、平成2年度より外国人児童生徒の学習・学校生活適応支援及び保護者への通訳や通知の翻訳等を担うために、日本語とポルトガル語等に堪能な日本語指導助手を市独自で任用し、学校に配置してきた。
 ⇒ 子どもたちの学校適応、保護者への通訳等に成果をあげてきたが、定住化が進む中で将来の進路につながる学力保障が大きな課題となってきた
 
◎ 定住化に向けた新しい外国人児童生徒教育へ
~適応指導、日本語指導、学力保障の三位一体となった指導の推進~


2.外国人児童生徒教育の具体的な取組み内容

(1)外国人児童生徒教育ブロック別集中校システム
市内の小中学校区を8ブロックに分け、各ブロックに数校の外国人児童生徒指導教室を設置し、県から加配される担当教諭と共に市で採用したバイリンガル教員と日本語指導助手がチームを組み、外国人児童生徒の日本語、教科学習の習熟度に応じた独自カリキュラムを作成し、きめ細かい指導を行っている。

(2)バイリンガル教員、日本語指導助手の配置
・バイリンガル教員 常勤8名配置
 日本語とポルトガル語等の双方の言語に堪能で、日本、もしくはブラジル等の教員免許を持つ人材を任用し、子どもたちの母語も介しながら、単独で指導できる指導者として、各ブロックに配置している。
・日本語指導助手  非常勤【22年度予算:1,500円*200日*6時間*10人分】
 日本語と子どもたちの母語に堪能な人材を、指導支援、通訳、保護者への通知の翻訳を行う人材として各ブロックに配置している。言語は、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、中国語、韓国語の5言語。

(3)プレスクール/保護者向け日本語教室の実施(12月~2月の土曜10回)

・プレスクール
次年度に就学する外国人の子どもを対象に、学校適応を支援するための授業を実施。
・保護者向け日本語教室
外国人保護者に対して、プレスクールと併行して行う日本語教室。主に学校教育に関わることを主題としながら、日本の教育制度等への理解を深めてもらう。

(4)太田市初期指導教室「プレクラスひまわり教室」の開設
平成20年度より、文部科学省指定「帰国・外国人児童生徒受入促進事業」の一環として、円滑な就学と学習への移行をめざして開設した。外国人の子どもが、編入学直後に基礎的な日本語と日本の学校生活について学習するとともに、保護者へも数度の保護者会やガイダンスを通して、日本の学校への理解を深めてもらう。約2か月のカリキュラムにより指導を行っている。
また、外国人住民の定住化に伴い、これまではほとんど外国人児童生徒が在籍していなかった学校へも分散して就学する状況もでてきたため、初期指導教室とブロック別集中校システムを連携させ、少数在籍校へも巡回指導員を派遣することにより、指導の充実を図っている。

3.成果と今後の課題

(1)成果
・子どもたちの多様な実態に応じたきめ細かい指導が可能となり、学校への円滑な適応が図られ、子どもたちの学習においても、少しずつではあるが、着実な伸びが見られるようになってきた。中学を卒業した外国人生徒の高校進学率も50%(H14)から94%(H21)へと上昇し、進学者数も8名から45名へと5倍近くに増加した。
・母語の分かるバイリンガル教員が常時いることで、児童生徒のトラブルの際の対応が迅速に詳細にとることができ、保護者との意思疎通においても学校と保護者の間でより充実した関係の構築に大きく寄与している。
・初期指導教室「プレクラスひまわり教室」による取組みはまだ始まったばかりだが、外国人の子どもがある程度準備をして、学校に就学できるようになってきている。特に最近の景気後退に伴い、外国人学校からの編入が増えており、そういった子どもたちへの初期指導に大きな役割を果たしている。(H21年度は26名が通室)
・外国人の保護者が数度のガイダンスを通して、以前より日本の学校教育に触れ、理解を深めることができるようになってきた。

(2)今後の課題
・指導法の改善
日本人の担当教員とバイリンガル教員及び日本語指導助手とのより良い連携について、また、特にバイリンガル教員においては、日本語と母語をどう使い分けて指導にあたるかの検証を深め、より効果的な指導法へと改善を重ねることが引き続き必要である。
・初期指導教室(プレクラス)の継続
平成20~22年度に文科省指定事業を活用して、開設したプレクラスは、編入した子どもへの初期指導や円滑な学校適応へ成果を上げている。最近の景気後退に伴いブラジル人学校からの編入者も増えており、必要性もあるため、将来的には学校の空き教室の活用も視野に入れながら、検討していく。
・バイリンガル教員確保へ向けた基盤の充実、制度の確立
 バイリンガル教員は2言語以上に堪能で、教員免許を持つ人材で、意欲的に指導にあたっているが、まだまだその任用の制度的基盤(財政面等)は十分ではなく、継続的に人材を確保できるような財政的裏づけを伴った、制度の確立が今後必要となっている。

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