本文
長楽寺絹本墨画出山釈迦図
絹本墨画出山釈迦図(けんぽんぼくがしゅっさんしゃかず)は、縦73cm、横36cmの絹地に描かれた水墨画です。仏の教えを得るために雪山に入って苦行した釈迦が、仙人から離れ自らの道を見いだすために、山から下りてくる様子が描かれています。
水墨画の作者は不明ですが、制作年代は日本ではその数が少ないとされる僧東明慧日(とうみょうえんにち)(1272~1340)の賛が画右上にあるところから、鎌倉末期から南北朝初期の制作と考えられています。東明慧日は、中国明州の禅僧で、延慶(えんきょう)2年(1309)北条貞時の招きで来日しました。鎌倉の円覚寺や建長寺に歴住し、日本禅宗において東明派の祖となった名僧です。
本図は初期水墨画史上より見て大変貴重な資料です。
賛
入山出山東涌
西没鳳質龍姿
弊衣痩骨六戴
所成々泏●
沙門 彗日
※●は「さんずい」に盾
指定区分 | 国指定重要文化財[絵画] |
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指定年月日 | 昭和39年3月27日 |
所在地 | 高崎市綿貫町992-1(群馬県立歴史博物館寄託) |