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石之塔遺跡の出土品
石之塔遺跡は太田市の最北端で、八王子丘陵の西側に立地する水田下から発見された遺跡です。発掘調査は県営岡登中部地区圃場整備事業に伴い、岡登中部遺跡群のうち「石之塔遺跡」として、昭和61(1986)年に調査が行われました。
その結果、旧大字藪塚字石之塔から字堂ノ下にかかる5,109平方mの範囲から、多数の遺物と遺構が出土し、縄文時代後期から奈良・平安時代までの複合遺跡であると確認されました。出土遺物の中でも透かし彫りのある土製耳飾りをはじめ土偶や岩版などは縄文時代晩期の特徴をよく著しています。本遺跡の遺物により、縄文時代後・晩期における当地の文化を知ることができ、同時に、縄文晩期の標準的な遺物として重要です。
透かし彫りのある土製耳飾りとしては、国指定重要文化財の千網谷戸遺跡(桐生市川内町所在)出土のものが有名です。石之塔遺跡出土のものと千網谷戸遺跡のものとを比較すると、種類や製作技法がよく似ています。なお、遺構としては、敷石住居状の遺構も検出されました。
また、イノシシやシカの骨を中心とする動物の骨が多数出土していますが、いずれも火で焼いた形跡がありました。
透かし彫りのある土製耳飾り
岩版(がんばん)
指定区分 | 市指定重要文化財[考古資料] |
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指定年月日 | 平成5年10月18日 合併に伴い、平成17年3月28日に改めて 新市の文化財として指定されました |
所在地 | 太田市大原町505-1(藪塚本町埋蔵文化財収蔵庫) |