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撥鏤(ばちる)
撥鏤とは象牙を紅色や紺色に染め、表面を彫刻して白い象牙の素地を顕すことで図柄や文様を表現する工芸技法です。撥鏤技法の起源は明らかではありませんが、中国・唐代(8世紀)に最盛期を迎え、日本では奈良時代に隆盛しました。正倉院宝物にはこの技法が施された撥鏤作品が数多く収蔵されています。しかし、撥鏤技法は奈良時代を最後にわが国では行われなくなり、中国においても唐代が最後であったため、千年以上にわたってその技法は途絶えてしまいました。明治時代になって正倉院宝物を基にして撥鏤技法が復元され、1985年には工芸技術として国重要無形文化財に指定されております。
村松親月氏は特に撥鏤の染色方法を重視し長年検討を重ね、染色方法の復元を行いました。村松氏の作成した撥鏤作品と撥鏤染色過程サンプルは奈良国立博物館に寄贈され、同館の展示においてしばしば公開されるなど貴重な収蔵品となっています。その撥鏤技法の復元は、現時点での最高峰にあると考えられています。
正倉院所蔵撥鏤復元作品(尺と棊子)
技芸等の内容1.生地取り 2.整形 3.研磨 4.染め付け 5.彫刻 6.点彩
使用する道具の概要
1.生地取り…象牙用の鋸(ノコギリ)
2.整形…象牙用の鑢(ヤスリ)・鉋(カンナ)
3.研磨…木賊(トクサ)、椋(ムク)の葉、粒子の細かい磨き砂
4.染色…インド藍液(藍色)、インド茜の根の粉末を溶かした液(赤色)
5.彫刻(撥ね彫り)…ベンガラ、彫刻刀
6.点彩…緑青をアンモニア液で溶かしたもの(緑)、くちなし(黄色)等
文化財保持者:村松藤男氏(雅号:親月)
| 指定区分 | 太田市重要無形文化財 |
|---|---|
| 指定年月日 | 平成23年7月21日 |
| 所在地 | 太田市金山町31-7 |

