トップ > 組織・電話番号 > 教育委員会-文化財課 > トピックス > 金山城跡の発掘調査 > 西矢倉台通路

西矢倉台通路

■調査期間 平成14年度7月29日~平成14年度8月30日
■調査場所 太田市金山町40-45、40-46他

 西矢倉台通路は、西矢倉台の南斜面で確認された石垣列(平成12年度発掘調査)の北脇の通路になります。また、西矢倉台通路(平成12年度に発掘調査し、現在復元整備されている石敷き通路)から西側へ延びる通路にあたり、西矢倉台通路から西矢倉台基壇までの通路形態を明らかにするため、発掘調査を行いました。(西矢倉台下堀切周辺の鳥瞰図

西矢倉台通路調査前現況

西矢倉台通路調査前現況(東から)

西矢倉台通路掘り上がり状態

西矢倉台通路掘り上がり状態(東から)

 調査の結果、西矢倉台通路は、平成12年度の調査で確認されたのと同様に「新旧2時期の通路面」が確認できました。

西矢倉台通路平面実測図

西矢倉台通路平面実測図(右半が平成12年度・左半が平成14年調査区)

 城の改修は、「外側へ拡張していく」ことが一般的ですが、この西矢倉台通路における改修は、外側である南側が急な斜面になっているため、「より安定した内側へ通路を造り直した」と考えられます。

1. 新時期通路

新時期通路

新時期通路(西から)
 *青いライン間が通路、段差も見られます。

新旧通路間の岩盤斜面

新旧通路間の岩盤斜面(東から)
 *青が新時期通路、赤が旧時期通路。

2. 旧時期通路

旧時期通路

旧時期通路(赤ライン間、西から)
 *通路北の岩盤斜面際には、柱穴列が
  延々と東へ延びています。

旧時期通路

旧時期通路(赤ライン間、東から)
 *新時期通路(青ライン間)南の岩盤斜面と
  南斜面の石垣列間の造成面が旧時期通路。

 旧時期通路北の岩盤斜面際には、岩盤を加工した柱穴が一直線上に12個見つかりました。この柱穴列は、「通路脇の柵列」と考えられます。しかし、通路脇の柵列は「通路の外側」に巡ることが一般的ですが、この柱穴列は「通路の内側」に巡っており、その詳細な性格について更なる検討が必要です。

岩盤を加工した旧時期通路脇の柱穴

岩盤を加工した旧時期通路脇の柱穴

3. 新旧2時期通路の根拠

通路面に対応する新旧2時期の石垣列


 平成12年度の発掘調査の結果と同様に、新旧2時期の通路面のレベルに対応する「新旧2時期の石垣列」が確認できました。
 上位の新しい石垣列には「アゴ止め石」技法が見られ、下位の古い石垣列には見られません。なお、上位の新しい時期の「アゴ止め石」技法が見られる石垣列は、新旧通路間の岩盤斜面にすりついて終息していました。

南斜面で見られた新旧2時期の石垣列

南斜面で見られた新旧2時期の石垣列
(西から)

南斜面で見られた新時期石垣列

南斜面で見られた新時期石垣列(南東から)
*上位の石垣列のみ「アゴ止め石
(黄色矢印)技法が見られます。

断面(セクション)調査

通路南北断面図

通路南北断面図【左・平成12年度調査、右・平成14年度調査】(青は新時期、赤は旧時期)

平成12年度の通路南北断面の調査で見られたように、平成14年度の調査においても、新旧2時期の通路面が見られました。

 なおかつ、平成12年度・平成14年度の2箇所のおいて、新旧2時期の通路面のレベルがほとんど同じレベルであることも確認できました。(上の断面図ではレベル差が見られますが、平成12年度に確認した面と平成14年度に確認した面との間は約26mあり、通路面が西(平成14年度調査面)へなだらかに上がっていくためです。)

新時期通路造成面下の柱穴


 新時期通路造成面下からは、旧時期通路に伴う柱穴が見つかりました。この柱穴は、岩盤を加工した一連の旧時期通路北脇の柱穴の1つです。

岩盤を加工した旧時期通路脇の柱穴

新時期通路造成面下から見つかった
岩盤を加工した旧時期通路脇の柱穴

4. 石階段

 すでに平成12年度の発掘調査で、西矢倉台基壇の約15m東では、西矢倉台下堀切脇坂路方向へ降りると考えられる石階段を確認していました。
 今回の発掘調査では、この石階段が新時期通路まで延びることがわかりました。

石階段のステップ

石階段のステップは、小石を並べた程度の粗末なもので、
馬場曲輪南西側の石階段と同様なステップでした。

▲このページの先頭へ