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第5回下水道講座 (2)日本の下水道事業において「検討すべきコト」は何ですか?

4 質の高い教育をみんなに6 安全な水とトイレを世界中に11 住み続けられるまちづくりを14 海の豊かさを守ろう
ページID:0013930 更新日:2023年2月1日更新 印刷ページ表示

  はじめに

日本全国の下水道事業の実態として、

下水道事業の3つの課題の画像

 
中長期的な目線で組織や事業や資金の経営戦略を練ろう!

アセットマネジメントとは?>

 
『アセット(資産)=「ヒト」「モノ」「カネ」』マネジメント(事業運営)を行うこと。

(定義)

 「下水道事業におけるアセットマネジメント」について、法律等で定められた定義はありませんが、国土交通省では、『社会ニーズに対応した下水道事業の役割を踏まえ、下水道施設(資産)に対し、施設管理に必要な費用、人員を投入(経営管理、執行体制の確保)し、良好な下水道事業サービスを持続的に提供するための事業運営』としています。

 具体的には・・・ 
・民間活力の導入     ・技術やシステムの導入        ・通常業務のシステム化
・情報の電子化      ・かかる費用の長期的な予測     ・広域化
・維持管理コストの削減  ・下水の汚泥を減らすリサイクル化  ・施設の統廃合
・長期的な戦略「経営戦略」の策定   など

1.ヒト(人材)のマネジメントの必要性

◆現状はどうなっている…?

 地方公共団体の下水道部門の職員数は、6割に減っています。

 
平成9年:約47,000人  →  平成30年:約27,400人

 現在、9割以上の事業者が、下水道施設の維持管理の全部や一部を民間に委託しています。また、建設などにより下水道施設のストック量が増えているにも関わらず、人員の削減により、それを更新していくために必要な技術系の職員の高齢化が進んでおり、専門技術の継承が大きな課題となっています。また、職員の入れ替わりによる人材流動によって、専門的知識の定着が困難という課題もあります。

◆では、どうすればよいのでしょうか。

  1. 公共施設のマネジメントや事業運営等の専門的知識の人材育成
  2. 専門性をもつ民間事業者への包括的業務委託

2.モノ(下水道施設・資産)のマネジメントの必要性

 下水道管やポンプ場、下水処理場などの下水道施設は、老朽化が進んできています。これに対し、施設の計画的な「維持管理」「更新」「統廃合」などの対策が必要となってきています。

◆​現状はどうなっている…?

◆全国の下水道管渠の総延長 約49万km(地球の外周の12倍)
 このうち標準耐用年数(使用できる期間)50年を経過した管渠の長さ

 
令和2年度末   令和12年度末   令和22年度末
2.5万km 8.2万km 19万km
全体の5% 全体の17% 全体の39%

◆全国の下水処理場 約2,200カ所
 このうち機械、電気設備の標準耐用年数15年を経過した施設の数は
  『約2,000カ所 以上 全体の91%』 にもなります。

◆降雨時に確実な稼働が必要な雨水ポンプ場は、1,600カ所
 このうち設備の標準耐用年数20年を経過した施設の数は
  『約1,300カ所 全体の81%』 にもなります。

◆では、どうすればよいのでしょうか。 

  1. 下水道施設のストックをマネジメントするという発想

   「目標をたてること」 「施設の状況を把握すること」

   「長期の予測をたてること」 「計画的・効率的に管理すること」

3.カネ(資金)のマネジメントの必要性

◆​現状はどうなっている…?

1.人口減少による使用料収入の減少

 
日本総人口 2015年:約1億2,700万人  →  2060年:約8,600万人 (▲4,100万人)

※ピーク時の7割まで人口が減ってしまう試算

2.経費回収率の低さ

 処理区域内(下水道が使用できる区域)の人口密度が低いところでは、下水処理にかかる経費を使用料収入で賄うことができません。

 
下水事業所全体の約4分の3原価割れ(下水処理にかかる経費を使用料収入で賄えない)

※下水道事業で経費回収率が高い場所は、東京など人口密度が高い都市部がほとんど

 

<下水道使用料の負担区分と財源の現状のイメージ>

下水道使用料の負担区分と財源の現状のイメージ図の画像

  • 私費負担分 = 下水道使用者が負担する費用(使用料)
  • 公費負担分 = 市が負担する費用(税金)

◆では、どうすればよいのでしょうか。 

  1. 必要な経費を使用料で賄えるようにする → 使用料の値上げが必要
  2. 下水道事業経営の改革が必要である