本文
西長岡横塚古墳群
西長岡横塚28号墳の調査状況
遺跡名称 | 西長岡横塚古墳群(にしながおかよこづかこふんぐん) |
---|---|
調査場所 | 太田市西長岡町 |
調査期間 | 昭和60年度 |
調査対象 | 古墳3基 |
調査結果 |
第27・28・133号墳の3基が発掘調査され、第27号墳では凝灰岩(藪塚石)を使用した横穴式石室が、第28号墳では凝灰岩を加工した石棺を納めた竪穴式石槨(たてあなしきせっかく)がそれぞれ確認されました。 第28号墳の石棺内からは、ガラスや水晶製の玉類が数多く出土したほか、第188号墳からは小札片等が出土しました。 |
立地と周辺の遺跡
立地
太田市北部、東武桐生線の治良門橋駅と薮塚駅のほぼ中間地点にあり、大間々扇状地の東端に位置しています。
周辺の遺跡
当古墳群の南約500メートルには二ッ山1・2号墳があるほか、東約1.6キロメートルには西長岡天神山古墳群・西長岡東山古墳群などの群集墳が展開しています。
発見された古墳・遺物
第27号墳
第27号墳は墳丘径約35メートルの円墳で、凝灰岩(藪塚石)を用いた横穴式石室が確認されました。石室の基礎地盤は版築(はんちく)工法で固く締められており、それらの範囲から、石室規模は8メートル以上あったものと想定されます。
石室の特徴から、7世紀前半頃の築造と考えられます。
西長岡横塚第27号墳の横穴式石室平面図
第28号墳
第28号墳は墳丘径約19メートル以上の円墳で、2つの埋葬施設(主体部)が確認され、このうち第2主体部は墳丘のほぼ中央、旧地表面上で見つかりました。凝灰岩を用いた竪穴式石槨(たてあなしきせっかく)で、中央には凝灰岩を加工した家形石棺が安置されていました。
石棺内部からは、ガラス製小玉62点、水晶製算盤玉33点などの玉類が数多く出土しました。
石棺の特徴などから、7世紀末頃の築造と考えられます。
西長岡横塚第28号墳の竪穴式石槨(たてあなしきせっかく)
第188号墳
第188号墳は墳丘径東西約20メートル、南北約16メートルの楕円形をした円墳で、横穴式石室の痕跡が確認されました。この部分からは、鎧のパーツである小札(こざね)の破片が80点近く出土したほか、ガラス小玉・鉄斧・須恵器・埴輪などが出土しました。
石室の構造などから、7世紀中頃の築造と考えられます。
西長岡横塚第188号墳の横穴式石室平面図