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休泊行政センター|龍舞の華萬燈
人はかよわき生き物である。雨や嵐が続けば神に祈る。地震などの災害が起きれば神の前にひざまずいた。
また、穀物を実らせ、平和と繁栄を与えてくれるのも、神の存在があると信じてきた。
しかし、この萬燈祭りについては、京都から伝わったという話だけで、由緒については定かでない。
資料によれば、五穀豊穣、村内安全、繭の増収を願って、古くから行なわれている。
そして、祭りは「人間に恵みを与える、神への感謝」の行事でもあった。海の幸、山の幸を捧げ、神と人とが同化し踊り舞うのである。
「神楽舞」もそうである。
龍舞の賀茂神社の萬燈祭りも神への報恩の証(あかし)だったのかもしれない。
賀茂神社は、長良親王が蝦夷(えぞ)征伐に遠征してこられたが、負け戦であったため京都から勧請したという。
すると、戦況は逆転しその戦に勝つことができたという。
戦いに勝った時、長良親王の青龍の御旗が天に舞った。
この故事をもとに龍舞という名が起こったという話だ。
一時期中断されていたが、昭和46年から復活したという。
春の4月中旬の大祭の日には、大萬燈や子供萬燈が振り込みながら、賀茂神社に集まってくる。
華やいだ祭りだけに、神様もさぞ御満悦であろう。
稲作民族である日本は、この春の祭りで神を温かく迎え入れ、秋の収穫に感謝して神を山へ送る。
これが、秋の祭りである。