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金山の動物と植物

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ページID:0004137 更新日:2022年12月6日更新 印刷ページ表示

金山の動物

哺乳類 ホンドキツネ・ホンドタヌキ・イタチ・アナグマ・キュウシュウノウサギ・ホンシュウヒミズなどが確認されています。八王子丘陵や市域南部の平野部でハクビシンの生息が確認されており、金山丘陵で確認される可能性もあります。
鳥類 フクロウ・アオバズク・ウグイス・カッコウ・アオゲラなど100種以上野鳥の生息が確認されています。また、丘陵中の池・溜・沢等ではカルガモ・カイツブリ・カワセミ・セキレイなども見られます。特にカワセミ・セキレイは河川の自然度を指標するといわれており貴重な鳥類です。
両生類 ニホンアカガエル・ヤマアカガエル・シュレーゲルアカガエル・アオガエルなどが生息しており、特に、ヤマアカガエルは尾瀬等の山岳地域が主な生息地であるのに対して、標高の低い金山丘陵での棲息は貴重です。
昆虫類 環境庁のレッドデータブックの希少種に搭載されているオオムラサキ・カタツムリトビケラ、また学術上貴重な指標昆虫であるハルゼミ・ゲンジボタルなども棲息しています。
オオムラサキは幼虫の食樹としてのエノキ、成虫の吸蜜に必要なクヌギ・コナラ林がなければ生息不可能で、植生上の関連からも貴重です。カタツムリトビケラはキョウトニンギョウトビケラとともに金山・八王子丘陵の小流の湧水域に生息しています。ハルゼミはアカマツ林での生息が確認されています。ゲンジボタルは幼虫の補食するカワニナ類と容存酸素の多い清流域がないと生息できず、生息環境が限定されています。
魚類 ヨシノボリが長手の池で確認されています。
甲殻類 金山各所の沢でサワガニが確認されています。また、ヌマエビが長手の池で確認されています。

金山の植物

 金山丘陵は足尾山地から渡良瀬川の断層によって切り離された分離丘陵群のひとつです。南北約3.8km、東西約3.1km、最高点は金山山頂の239m、平野との比高差は170~190mで、複雑な山麓線を有しています。
このような様相を示す丘陵であるため、植生の上でもたいへん貴重な植物も見られます。その特徴を示すと次のようになります。

植生の概要 太田甚句の一節に「わたしゃ太田の 金山育ち ほかに気(木)はない 待つ(松)ばかり」という古謡があります。この歌はアカマツばかりである金山にかけた掛詞になっています。金山のアカマツは南面に多く、とりわけ、小八王子山南西斜面は見事な松林になっており、太田市を代表する自然景観です。しかし、現在金山でもマツ枯れ現象が進行しており、その保護が懸念されています。
 江戸時代にはこのアカマツ林から生えるマツタケが徳川将軍家への「献上松茸」として知られ、金山は幕府直轄の「金山御林」として、「御林守」が置かれ、厳重に管理されていました。明治以降は皇室に献上され、昭和39年(1964)まで続きました。
ヒサカキはアカマツ林などの林床に生育する陰地性の樹木で、林床の手入れがなされていない地域で群落を作っています。このような場所では陰地性のシラカシ・アラカシなどと共に、陽地性のアカマツを淘汰し、照葉樹林が形成されて行くものと見られます。
ヤマツツジは金山各所に小群落を作っています。
アカマツ林以外の場所は概ねクヌギ・コナラ林となっています。
寄生植物・腐生植物 ナンバンギセル・オオナンバンギセルなどの全寄生植物やママコナ・ヒキヨモギ・カナビキソウ・マツグミなどの半寄生植物、腐生植物のギンリョンソウなどが数多く見られます。
ナンバンギセルは金龍寺裏のハイキングコース沿いで、ギンリョウソウは八王子山(水道山)等の麓に近い陰地で見られ、ママコナは金山南面や長手の陽地に見られます。マツグミはハイキングコース沿いのアカマツ等に寄生しているのが見られます。
亜高山性の植物 亜高山性の植物は足尾山地との関連が考えられます。木本類のホツツジは金山裏山斜面等で、草本類のウバユリ・フシグロセンノウも同所で、またヤマハハコなどは西尾根等で見られます。
北方系と南方系の混生 金山の各所で北方系と南方系の植物が混生しています。
北方系の植物としては金山山頂付近でウラジロノキなどが見られ、南方系の植物としてはアラカシが各所で見られます。
人為的な植栽 金山では自然の姿がよく保たれていますが、中には人為的な植物種も見られます。金山城の時代に軍事上の目的を持って植栽されたと推定されるヤダケ・サイカチなどが代表的なものです。