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下田中の宝篋印塔
一般的に宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、下から順に返花座・基礎・塔身・笠・相輸の五つの部分でできていますが、下田中の塔は同じ大きさの笠が二つある二重式の塔です。しかも相輪の先端をわずかに欠いているだけで、ほぼ完全な形をとどめています。笠の四隅にある隅飾は、内側にのみ輪を作っています。これは室町時代初期の南北朝時代の北武蔵地方や上野国南部に多くみられる特徴です。
高さは147cm、幅は返花座の部分で44.6cmあります。また、塔身には「ア(宝幢/ほうとう)」・「アー(開敷華王/かいふけおう)」・「アン(阿弥陀/あみだ)」・「アク(天鼓雷音/てんくらいおん)」という4つの如来(胎蔵界四仏)を表す梵字が刻まれています。この塔は、基礎の銘文から康応元年(1389年)に建立され、来世に幸福になるように願った供養塔であることが分かります。
銘文
諸衆
逆 修
敬 白
十一月
康應元年
八 日
指定区分 | 市指定重要文化財 [建造物(石造物)] |
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指定年月日 | 昭和55年12月24日 合併に伴い、平成17年3月28日に改めて新市の文化財として指定されました |
所在地 | 太田市新田下田中町 |