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旧胎蔵寺の木造大日如来坐像
この像は現在の神明宮境内地にあった鑁阿山胎蔵寺の本尊と伝えられています。胎蔵寺は文明元年(1469)に金山城が築城された際に、鬼門を鎮護する寺として金山実城の北東の大日沢に創建されたといわれています。しかし、「元禄太田金山絵図」(市重要文化財)には「胎蔵寺」の記載はなく、「大日」の名称で堂宇が描かれており、天正18年(1590)金山城が廃城になると胎蔵寺も廃寺となり、その後は大日如来を安置する大日様として守られてきたものと考えられます。
この像は神明宮の社の中に安置されており、総高60cm、像高33cmの寄木造り、漆箔仕上げの小振りな木造です。手印は左手を仰向け、その上に右手をかさね二大指を合わせ支えた悟りを示す法界定印(禅定印)を結んでいます。獅子を踏まえ、蓮華座に結跏趺坐しています。大日如来が持つ本質的な智慧の世界を表した胎蔵界の仏像です。室町時代の作と考えられます。
指定区分 | 市指定重要文化財[彫刻] |
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指定年月日 | 平成8年2月19日 合併に伴い、平成17年3月28日に改めて新市の文化財として指定されました |
所在地 | 太田市東金井町107 神明宮 |