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伝阿鑁寺の木造阿弥陀如来立像
藪塚温泉入口北側の丘陵裾に建つ阿弥陀堂に安置された仏像です。
この像は、阿弥陀如来三尊像で、右から、観世音菩薩・阿弥陀如来・勢至菩薩の3体が1つの台座に乗っている善光寺式です。使用材はカツラです。
由来として、本尊の厨子の裏に次のような内容が墨書されています。
「この尊像は、元々作場山阿鑁寺(あばんじ)の本尊であった。胎養寺の末寺であった阿鑁寺は、慶安(1648〜1652)の頃に建立されたが、寺は荒れて遂に無くなってしまい、畑や林になってしまった。寺の隣に住んでいた檀家の新井兵庫という者が、本尊を自宅で安置して守った。それから100年あまり後、子孫の新井作左衛門が不思議な夢を見るようになった。
宝暦年中(1751〜1761)に胎養寺住職の隆慶に相談して、この像は胎養寺に移すのが一番よいということになりここに堂を建立して、安置することになった。
天明乙巳(1785)年龍集戴雪(12)月吉辰(吉日)胎養寺住職 隆慶謹んで誌す。」
阿鑁寺の建立時期には疑問がありますが、像の作りから江戸時代中期頃の作であると考えられます。なお、阿鑁寺跡といわれる所は阿弥陀堂の上部で、西山古墳との中間にあります。
指定区分 | 市指定重要文化財[彫刻] |
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指定年月日 | 昭和48年12月10日 合併に伴い、平成17年3月28日に改めて新市の文化財として指定されました |
所在地 | 太田市藪塚町3510 |
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