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村田大島出土の山吹双鳥鏡
この鏡は昭和48年(1973)に新田村田町の道路工事の際、削土された土中から発見されました。伴出遺物や出土状況等は不明です。
青銅製の円鏡で、表裏ともそれほど腐蝕の進みはなく、保存状態が比較的良好な完形品です。鏡面は平らで、鏡背中央には菊鈕座があり、鈕孔を縦にした文様は、鈕座より上で左側が下方に、右側が上方にはばたく一双の鳥を描いています。内区と外区とを分ける区界は隆線で、内区一面には16個の花と葉を、外区には隆線に沿って13個の花と葉が交互に配置されています。また二双の鳥を上にして逆三角形を結ぶ位置に、花と異なる図柄が配置されています。
鳥の種類は図案化されているため明らかではありません。花と葉は多少図案化されていますが、その形態から山吹と見られ、これらの文様意匠から「山吹双鳥鏡」と呼ばれています。大きさは直径11.4cm、縁高0.6cmです。
和鏡として素形がうかがえる一条の界線と、旋廻式の双鳥や草花など自由野趣を取り入れた文様意匠から、鋳造年代は鎌倉時代(1185〜1333)と考えられます。鏡は造られた時代背景や、鏡の性格などから経塚などの埋納品に供えられたものと考えられます。
指定区分 | 市指定重要文化財[考古資料] |
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指定年月日 | 昭和57年4月20日 合併に伴い、平成17年3月28日に改めて新市の文化財として指定されました |
所在地 | 太田市新田大根町 |