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長楽寺絹本著色山王曼荼羅図
絹本著色山王曼荼羅図(けんぽんちゃくしょくさんおうまんだらず)は、縦132.8cm、横52.2cmの掛軸装で、作者は不明ですが、南北朝時代の制作と考えられています。平安朝末期、仏や菩薩(ぼさつ/本地)が衆生(しゅじょう/あらゆる生類)を救済するために、垂迹身(すいじゃくしん/仮の姿)となり権現(この世に現われた神々)であろうとする本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)に基づいて描かれたものです。図柄は神殿内の内陣に上七社の諸神を、外陣と回廊の左右に中七社下七社の神々と、比叡山の鎮守である赤山明神を加えた二十二社の垂迹(すいじゃく)の神影像が曼荼羅風に描かれています。長楽寺に山王権現(日吉神社)に関する曼荼羅があるのは、日吉神社が天台宗本山延暦寺の護法神として習合していたため、天台宗寺院である長楽寺にも山王信仰が入り、垂迹画がもたらされたと考えられます。
指定区分 | 県指定重要文化財[絵画] |
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指定年月日 | 昭和40年7月23日 |
所在地 | 高崎市綿貫町992-1(群馬県立歴史博物館寄託) |