本文
長楽寺絹本著色牧翁了一像
絹本著色牧翁了一像(けんぽんちゃくしょくぼくおうりょういつぞう)は、縦83.1cm、横38.4cmの掛軸装で、作者は不明ですが、南北朝時代の制作と考えられています。図柄は牧翁了一(ぼくおうりょういち・1262~1327)が曲ろく(きょくろく/説法や法要のときにもちいる椅子)に坐し、手には煩悩を払う時に使う法子(ほっす)を持った頂相(ちんぞう/師が弟子に法をついだ証として与えた自分の肖像)です。図上には、長楽寺第11世白雲恵崇(えすう)による暦応(りゃくおう)4年(1341)銘の賛があります。牧翁了一は、長楽寺第10世住職で、同寺第5世住職月船琛海(げっせんしんかい)の弟子です。長楽寺文書によれば、元応(げんおう)2年(1320)北条高時(ほうじょうたかとき)より長楽寺住持職(じゅうじしき)に任じられ、在寺中、師月船琛海のために塔頭普光庵(たっちゅうふこうあん)を建立した高僧です。
賛
貌若稿木心如止水
意外明宗機前領旨
多年整頽綱紀隻手
提鈯斧子傳別傳宗
了不了義全身半身
只箇是
牧翁和尚畫像傳
浴主需賛塞命耳
暦應四年辛巳中
春下澣書千得月楼
慶長白雲恵崇拝賛
指定区分 | 県指定重要文化財[絵画] |
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指定年月日 | 昭和40年7月23日 |
所在地 | 高崎市綿貫町992-1(群馬県立歴史博物館寄託) |