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太刀(銘了戒)附 銀造沃懸地太刀拵
太刀(銘了戒)(たちめいりょうかい)は、後水尾(ごみずのお)天皇(在位1611~1629)より日光東照宮に寄進されたと伝えられるもので、天海大僧正(てんかいだいそうじょう)の発願により、徳川氏が先祖ゆかりの地とした世良田に、日光東照宮の旧奥社拝殿を移築した際に移されたものです。
刀身は、作刀者「了戒」銘のある、長さ72.7cm、反り2.5cm、目釘穴(めくぎあな)一個、刃文(はもん)は直刃(すぐは)、地鉄は柾目(まさめ)がかかった小杢目(こもくめ)で小沸(こにえ)です。
作刀者の了戒は、正応から永仁の頃(13世紀末期)に活躍した山城(京都)の刀工で、鎌倉時代中期から南北朝にかけて活躍した刀工諸派来派の来国俊(らいくにとし)の子または弟子といわれます。
拵(こしらえ/柄巻や鞘の部分)は全長1m弱、金具は銀磨地で、鞘は革下地で金の沃懸地(漆塗の上に金粉をかける)、菊御紋散しの蒔絵(まきえ)を施したものです。
現在、刀身は群馬県立歴史博物館で保管され、拵は世良田東照宮陳列館で展示されています。
指定区分 | 国指定重要文化財(工芸品) |
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指定年月日 | 大正10年4月30日 |
所在地 | 刀身:高崎市綿貫町992-1(群馬県立歴史博物館寄託) 拵:太田市世良田町3119-1 東照宮 |
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