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長楽寺木造伝徳川義季像
木造伝徳川義季像(もくぞうでんとくがわよしすえぞう)は、長楽寺の開山堂に安置されていた、寄木造り、像高87.5cmの木像です。頂相(ちんぞう/師が弟子に法をついだ証として与えた自分の肖像)とよばれる肖像彫刻で、衣の袖と裾を正面に垂らし、曲ろく(きょくろく/説法や法要のときにもちいる椅子)に安坐しています。顔・首部及び胸の一部は肉色、衣文は黒一色の漆塗で、彫眼手法により、くぼんだ眼と鼻が写実的に表現されています。手印は、左手を仰向け、その上に右手を重ね二大指を合わせ支えた悟りを示す法界定印(禅定印)を結んでいます。胎内には、至徳(しとく)3年(1386)の修理銘があり、その後文明(ぶんめい)22年(1491)、明応(めいおう)4年(1495)に修理が加えられています。制作年代は修理銘などから鎌倉時代末期頃と考えられています。寺伝では、長楽寺開基の徳川義季像とされていますが、禅宗高僧の頂相像であるところから長楽寺第2世蔵叟朗誉(ぞうそうろうよ)とも考えられています。
指定区分 | 県指定重要文化財[彫刻] |
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指定年月日 | 昭和40年7月23日 |
所在地 | 高崎市綿貫町992-1(群馬県立歴史博物館寄託) |