本文
長楽寺木造伝徳川義季夫人像
木造伝徳川義季夫人像(もくぞうでんとくがわよしすえふじんぞう)は、長楽寺の開山堂に安置されていた、寄木造り、像高85cmの木像です。頂相(ちんぞう/師が弟子に法をついだ証として与えた自分の肖像)とよばれる肖像彫刻で、衣の袖と裾を真下に垂らし、曲ろく(きょくろく/説法や法要のときにもちいる椅子)に安坐しています。顔・首部及び胸の一部は肉色、衣文は黒一色の漆塗で、彫眼手法により右眼を失った写実的な表現がされています。手印は、左手を仰向け、その上に右手を重ね二大指を合わせ支えた悟りを示す法界定印(禅定印)を結んでいます。制作年代は徳川義季像よりやや遅れた時代が考えられています。寺伝では、長楽寺開基の徳川義季夫人像と伝えられていますが、長楽寺の開山である栄朝(えいちょう)の下で禅を学び、右眼を失ったとされる高僧円爾弁円(えんにべんえん)(聖一国師)の頂相と考えられています。
指定区分 | 県指定重要文化財[彫刻] |
---|---|
指定年月日 | 昭和40年7月23日 |
所在地 | 太田市世良田町3113-9(新田荘歴史資料館寄託) |