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長楽寺木造法照禅師月船琛海像
木造法照禅師月船琛海像(もくぞうほっしょうぜんじげっせんしんかいぞう)は、長楽寺の開山堂に安置されていた、寄木造り、像高94cmの木像です。頂相(ちんぞう/師が弟子に法をついだ証として与えた自分の肖像)とよばれる肖像彫刻で、衣を真下に垂らし、曲ろく(きょくろく/説法や法要のときにもちいる椅子)に安坐し手には煩悩(ぼんのう)などを払う時に使う法子(ほっす)を持っています。衣の部分は全面麻布を張り、顔と衣は黒一色の漆塗です。
月船琛海(げっせんしんかい/1231~1308)は、聖一国師(しょういちこくし/長楽寺開山栄朝の高弟円爾弁円<えんにべんえん>)の法統を嗣いだ名僧です。弘安(こうあん)5年(1282)幕府の命により長楽寺第5世住職となり、鑑堂大円(かんどうだいえん/長楽寺第6世)や牧翁了一(ぼくおうりょういち/同10世)などの高僧を世に送りだし、長楽寺の基礎を確立しました。徳治(とくじ)2年(1307)京都東福寺第8世となり、延慶(えんきょう)元年(1308)同寺で没し、朝廷より法照禅師の諡(おくりな)を賜りました。遺骨は東福寺から分骨され、長楽寺第10世牧翁了一が月船琛海のために建てた塔頭普光庵(たっちゅうふこうあん/国史跡 新田荘遺跡(東照宮境内))に埋葬されました。
指定区分 | 県指定重要文化財[彫刻] |
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指定年月日 | 昭和40年7月23日 |
所在地 | 高崎市綿貫町992-1(群馬県立歴史博物館寄託) |