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最上流算額文化11年銘 附関流算額文化9年銘
江戸時代にわが国で独自に発展した数学である和算は、代数・幾何・微分・積分などの分野を高度に発達させました。この和算の問題・解答を書いた額が算額で、和算家が競って神社・寺院に奉納しました。
この最上流算額(さいじょうりゅうさんがく)は、関流算学(せきりゅうさんがく)が盛んであった上州(群馬県)に、最上流和算を伝えた足利小俣の大川栄信(のち栄貞)の門人大川直信ら3名が文化11年(1814)に冠稲荷神社に奉納したもので、大きさは縦41cm、横182cm、県内に現存する最上流算額の最古のものです。問題は3問あり、先に文化9年(1812)に由良の関流和算家の金井良之が奉納した算額(縦45cm・横144cm)の問題に対抗する内容です。当時の和算界の圧倒的中心勢力であった関流と少数派の最上流との論争を知る上で貴重なものです。
上「最上流算額」 下「関流算額」
指定区分 | 県指定重要文化財[書跡] |
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指定年月日 | 昭和51年5月7日 |
所在地 | 太田市細谷町1 冠稲荷神社 |
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