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令和5年7月15日号こんにちは市長です

ページID:0026654 更新日:2023年7月15日更新 印刷ページ表示
 定年が伸びる。公務員は本年度から2年ごとに1歳ずつ延びていずれ65歳が定年になります。役所で定年を迎える職員がけっこういるけどみんな若い。そんなことを考えていたら、ふと黒澤明監督の『生きる』(1952年)という映画を思い出しました。ある市役所に勤める定年間近の役人が主人公。決められた仕事をこなし時間が来れば帰る。言葉も少なく事なかれ主義を貫いた役人を志村喬(たかし)が演ずる。その役人が自分の意志で公園が欲しいという住民の願いをかなえてやろうとする。がんが見つかって余命を意識し、「仕事をする」気になるのです。黒澤作品はどれも好きです。『羅生門』もいい、『七人の侍』にも志村は出ているが『生きる』の志村は渋さが際立ち格別。機会があったら見てください。
 話が少々脱線しました。定年延長が役所に及ぼす影響をお知らせするのが目的。高齢社会が現実のものとなって「年金の支払いを遅らせたい。もっと働いてくれ」という政府に呼応して本年度から定年延長が始まります。あくまでも推測ですが、5年間で130人程度が延長を希望するのではないか。すると、新規の採用を減らさざるを得ません。来年度の採用予定は26人です。本年度が35人でしたので四分の一を減らす予定で、市役所で働きたいと思っている人にとっては狭き門となります。同時に、ベテラン職員のポストが大事になってきます。『生きる』の主人公のように、経験を生かし、市民に寄り添う仕事をして目を輝かせてもらえたらいいなと思います。
 「もう年だから・・」と思っていても言ってはダメです。ほんとに老年(とし)になってしまいます。定年延長は人生の再スタートを遅らせてもらった。これからが「生きる」ではないですかね。(7月4日記)