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令和6年10月1日号こんにちは市長です

ページID:0040155 更新日:2024年10月1日更新 印刷ページ表示

 この夏は蚊がいない。蚊取り線香の類いは売れなかったろうな。春の終わりには蚊よけのコマーシャルがあったが夏になると見なくなった。いよいよ出番と張り切っていた防虫剤メーカーの社員たちは今何をしているか。そういえば、夏真っ盛りのアブラゼミのジージージーという騒がしい鳴き声も聞かない。木にしがみつく前に暑さでやられてしまっているのではないか。
 知っている人は多いと思いますが、いや初めて聞くという人がいるかもしれない「風が吹けば桶屋がもうかる」というお話。江戸の町人たちが一杯やりながら「ここんとこ、桶屋の羽振りがいいけど何があったんだい」「最近、やけに風が吹くじゃないか、あれで売り上げが増えているらしいよ」という禅問答のような話が展開する。下水道や浄化槽がなかった時代、ハエや蚊がやたらと発生した。防虫剤メーカーが起業したのは分かりやすい。直接的で説得力がある。だが、「風と桶屋」は少し解説しないと分からない。
 江戸の町人たちに聞いてみた。「風が吹くと土ぼこりが舞いますね、土ぼこりが立つとほこりが目に入る。ここまではいいですね。土ぼこりが目に入ると目を傷める人が増えまして、目の不自由な人は、楽しみが減りますよ。三味線を弾いて、小唄や都々逸など唄うということになります。そこで、三味線ですよ。三味線にはネコの皮を使うわけだから(江戸時代の話、今では動物虐待で許されません)ネコが捕まえられて減っていくでしょう。何が起こるでしょうか。そうです、ネズミがはびこって食い物の入っている桶をやたらかじりますね。桶は傷みます。そこで、桶の需要が増えて桶屋がもうかるんです。」
 暑い夏がどんなふうに社会を動かしているのか。もしかして「異常気象→平和な社会」みたいなロジックがあれば我慢のしがいもありますが。(9月13日記)