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令和6年12月1日号こんにちは市長です

ページID:0041758 更新日:2024年12月1日更新 印刷ページ表示

 何曜日と決めてはいないがぐんまこどもの国によく行く。散歩である。夏の初め、池に倒れた楢の木の枝にうたた寝をするカモの姿をよく見た。この日は秋も深く肌寒い。「今日はカモはいないな」、そう思って池を見た。はてよ、池の端に小さな波紋が動いているではないか。子ガモが小さな羽を動かしている。泳ぎ回ることはしない。午前中は光の関係で東側から見る池がいい。山裾に広がる楢の木々と黄色くなり始めた葉たちが水面に映し出されている。実にきれいな景色である。暖かくなったからだろうか、カモのつがいが心地よさそうに泳いでいた。
 連休の朝、予定行事を終えて時間があったので赤くなった紅葉を見ようとこどもの国に来た。駐車場の半分は埋まっていた。入り口ゲートで職員の皆さんに「おはよう。ご苦労さま」と声をかける。「昨日の花火、ここから見えました」。刀水橋花火のことだ。八王子山公園からも見えたと聞いた。近くで見る雰囲気は味わえないけれどちりばめられた光はかなり遠方まで届く。
 それにしても、花火はダイナミックだった。1時間、休むことなく頭上に花火が迫ってくる。そばではご老人がド太い筒音に反応して声を出す。「周辺の花火を見てきたがこんなにすごいのは初めてだ」と興奮していた。予定していた土曜日が雨の予想のために順延したのがよかった。風の向きもよく透き通った空に大輪が派手に踊った。
 こどもの国はうまくできている。子どもたちは人気の遊具に群がる。一方、西側の遊歩道は静かに高齢者を待っていてくれる。長手の山の奥深くまで辿(たど)ることができる。途中お会いした方と「ここは上品な散歩道ですね」と言葉を交わした。あちこちに沢があり水音は快い。野鳥が甲高く、短く鳴く。私の大好きな紅葉が数本ある。赤く染まる、その季節がまもなく来る。(11月6日記)